かず日記

Avenir Cycling Yamanashi / Juntendo University / Promotion x Athletes CYCLING

全日本学生選手権個人ロード 2位

大学4年目、最後の個人戦ロード。1年生の頃群馬で行われたこのレースで3位になったことが記憶に残っている。学生のレースで1番思いが強いのはインカレだけど、全日本の1週間前に行われるこのレースももちろん狙っていた。

 

•レース前のハプニング

今回のレースレポートはレース2日前のハプニングから始まる。レース2日前、いつも通りインターバルトレーニングを行い、その数値も主観的強度と心拍数から比較してもかなり調子の良さを感じていた。その後温泉→整体でコンディションを整えてその日は就寝。夜中ふと目が覚めると、とんでもない頭痛と倦怠感が襲った。交互に来る寒さと暑さ、コロナの時と同じ熱っぽさで39度以上。そこからは朝までほぼ寝れず安静時心拍数も普段の倍以上と異常事態。レース前日に即病院に行き検査をし、幸いコロナやインフル、感染症では無くただの風邪か熱中症とのこと。ドーピングに引っかからない薬を処方していただき、レース前日はカーボローディングや軽く乗ったり、調整等一切出来ず寝たきりで過ごした。本当は全日本に向けて出ない選択もあったけど、走れる可能性が少しでもあるなら出ないという選択は出来なかった。

 

レース当日起きた時はまだ体調がかなり悪かったが熱は無く、とりあえず早朝から水野監督に連れてもらい会場入り。みんなと冗談混じりで話していくうちに体調が段々良くなっていき、改めて病は気からだとか感じたり感じなかったり。レース前日乗らずに出たことも無ければ、体調不良のまま出たこともなかったので、目標とか何も考えずに出走した。

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•レース内容

いざレース。なんか自転車の感覚がいつもと違う。レース開始後2周くらいは喘息が出てきて辛かったが、カフェインジェルを3本くらい飲んだらそれ以降は出てこなかった。病をカフェインで退治。そこからは調子が凄く良く、気づけば自転車の感覚もマインドもすっかりいつも通りになり、直感で勝負できる自信があった。その地点でレースは既に半分くらいだったかな?逃げとメイン集団とは3分差。菅原に勝負を任せて欲しいと頼み、逃げとのタイム差を縮める牽引をやってもらうことに。塩出と俺は最終勝負に備えて休める位置で待機。

 

レースペースは結果的にラスト2周まではゆるゆるサイクリング。メイン集団は50-60人?くらいの大所帯。このまま最後の激坂に行くとか勘弁して欲しいため、ブリッジして前で勝負がしたかった。ここまでの菅原の素晴らしい仕事が功を奏し、ラスト2周地点で逃げから30-40秒差と、単独でブリッジできるちょうど良いギャップ。ここからいよいよ補給坂で自分から攻撃開始。ラスト2のアタックはブリッジ届かず、更に誰も着いてこなかったため一旦仕切り直し。ラスト1の補給坂アタックで単独ブリッジ成功。とは言っても数秒後方にすぐメイン集団。そこからは全開で激坂を目指すだけなんだけど、ブリッジした後十分に回復できず、ローテもあまり回せない。そんな中でも林原と宇田川の引きが強く、チームメイトが集団の抑えに入ってくれたおかげで、集団と10秒差のリードを持って最後の激坂を迎えることができた。

 

逃げ続けた林原は恐らく疲れてるし、宇田川と松井相手に最後スプリントしたくないと考え、迷いなく登りの入りから全開で行った。心が折れてくれ。脚が終わってくれ。そんな願いは叶わず、林原にあっけなく躱され敗北。レース前半から動き続け1番脚を使って勝つ。本当に悔しいけどリスペクトに値する走りと勝利だった。おめでとう。そして今回順大としては、同期の塩出が9位、菅原は14位、大森が22位と上位に4名が食い込めた。レースの内容を見てもただ走ってその順位では無くて、自分のために仕事を最大限やってくれた上での順位。本当にチームとして強くなってきた。そしてその仕事に自分は結果で応えなければいけないところを2位。勝てなかった。

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レースで勝つっていうのは本当に難しくて、何か1ピースでもハマらなければ勝つことは出来ないことを改めて実感した。過去を振り返っても大学4年間未だにタイトルを取れていないし選手権やインカレは2位3位、入賞止まり。 今回のレースで目を背けられない自分の弱さがはっきり分かった。勝負強さが無い。最後の局面で勝利を切望出来ない自分。何が何でも勝つんだって最後の最後まで強く保てない自分。どうしたら自分の根の部分が強くなれるかは分からないけど、目を背けたら間違いなく勝てないまま終わる。自分の弱さを認めて、自分の力だけじゃなく周りにも支えられて、どんなことを頼りにしても乗り越えて勝ちたい。圧倒的な力を見せ無くても、どんな泥くさい走りでも、何がなんでもまずは1勝して自分の殻を破りたい。

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いよいよ6/21.22全日本選手権U23 TT、ロードレース。前半戦1番重要視している全日本。正直自分の得意なコースではないし勝機は少ないかもしれない。だけどこの日のために去年から準備してきた。日本一を決める大会、わずかなチャンスを探し続け、日の丸ジャージに袖を通せるよう全力を尽くす。応援よろしくお願いします!

 

photo by  そーる Itaru Mitsui